【セルフネグレクト】漫画の書評・微ネタバレ！ゴミ屋敷・ホームレス・ひきこもりの闇を抉る問題作！

漫画「セルフネグレクト〜ゴミ屋敷、ホームレス、ひきこもり〜」は榎本由美先生の3作品を収録したオムニバス集。テーマはサブタイトルの通りでゴミ屋敷・ホームレス・ひきこもりをテーマにしています。

心の拠り所を無くした3人の女性が空虚感を伴う転落人生へ。

普通の生活から一変…現実逃避して虚飾の世界に溺れていく壮絶なヒューマンドラマが待ち受けている作品となっています。

この漫画は以下から試し読みすることが可能です。

セルフネグレクトってどんな漫画？

この漫画は榎本由美先生が描く読み切りエピソードが3作品収録。テーマはサブタイトルの通りにゴミ屋敷に溺れていく女…理想に近い生活からホームレスへ転落する女…母親に頼りきった30年間ひきこもりを続けた女…の過程が描かれるヒューマンドラマ作品に仕上がっています。

自堕落な生活に堕ちるまでの過程は本当にひょんな事から…。これを読んでいると誰にでも作中に出てくる3人の女性のように成り得る可能性があると感じてしまいます。

ちなみに各エピソードの結末はハッピーエンドではなくバット寄り。全てを失った女性の空虚感が強く印象に残る末路を向かえていきます。

セルフネグレクト 微ネタバレ

ゴミ屋敷の女

ヒロインは街山葉子といったオタク気質な女性。二次元にロマンスを感じていた彼女ですが社会人となり、ある劇団のアイドル役者に一目惚れ。追っかけファンになっていきます。

しかし、生活の気力となっていた役者が突如引退。しかも追っかけ仲間と結婚する事まで判明。

心の拠り所が無くなったと同時に私生活にさらなる追い打ちがかかってきます。仕事のリストラ…周りの仲間は将来を考えており、結婚していったり…。

全てから取り残されたと感じた葉子は次第に自堕落な生活へ変貌。生きる為に最低限の生活をしていると次第にゴミ屋敷へ。心の拠り所がなくなってしまった女性の無気力半生が描かれていきます。

ホームレス主婦

ヒロインは幸枝といった女性。
婚活パーティーにて知り合い涼一といった男性と結婚。マイホームも手に入れて幸せな生活を送る予定だったが…。

私生活に不満やストレスを抱えるようになりレンタル彼氏に手を出すことに。ハマってしまい消費者金融で借金まで作る始末へ。

借金をして家族にバレる罪悪感から家出。

最初はネカフェ生活だったが次第に資金は尽きてホームレスへ。ホームレスとしてアドバイスをくれた青年に襲われてから人生が一変。ホームレス男達に少ない身銭で身体を売ってくれる売春ホームレスと勘違いされて酷い目に合うことに…。

ホームレスたちに乱暴されて目が覚めた時は病院…母親が父親の退職金で借金を返済済み…また涼一との関係は離婚へ。そんな彼女は地元へ戻って実家の納屋で生活をすることに。

自分の選んだ選択に後悔して空虚感に襲われる幕引きへ。

ひきこもりを30年続けた女

ヒロインは48歳の女性、田南美緒。
18歳からひきこもりとなっており、ひきこもり経歴は30年。

そんな彼女のひきこもりになる過程やひきこもり時の生活が描かれていきます。心を閉ざしたのは本当に些細なこと。希望していた高校に自分は落ちたのに妹は受かる。そこから彼女は自分の心を閉ざしていくように。

彼女を30年間支えたのは母親。しかし、美緒が48歳の時…遂に母親が他界。弟妹は実家を売り払い、姉となる美緒には1人で生活させる事を強いていきます。

弟妹に見捨てられて孤独となった美緒。

新しいアパートの荷解き方法すらわからず泣き叫んで幕を閉じていきます。

漫画「セルフネグレクト」感想・書評

内に閉じこもる理由となったのが誰でも起こりえそうな状況だった事が衝撃的な作品でした。そして各エピソードは誰が悪いでもなくまさに「セルフネグレクト」…。

どんな過程で堕ちていくのかといった部分も身近過ぎて面白かったです☆彡

悪意のある汚い部分ではないですが、やはり人間が堕ちていく過程はどうしても汚らしさが出てしまう部分もあります。ゴミ屋敷の部屋の描写とかはご飯食べながら読むのは無理かも…（笑）

社会問題となる事柄をテーマに人間の弱さ、儚さを描いていく漫画。リアル寄りのヒューマンドラマが好きな人は楽しく読める作品になると思います。

普通の生活を送っていた女性達がある日、突然、些細な出来事から後戻り出来ない状態へと堕ちていく…。そんなリアルな転落人生を体験してみたい人は是非☆彡

この漫画は以下から試し読みすることが可能です。